今日は新しい友人ができました。
池袋東口でTHE BIG ISSUE を売る、尾崎さん。
ぽかぽか陽気の中、池袋を歩いていたら
私が尊敬する女性の一人である藤原紀香さんが表紙の冊子をもった
尾崎さんの穏やかな顔に惹かれ
「一冊ください!」と、話しかけました。
一度、通り過ぎたのだけど
もう一度戻って。
今年、還暦を迎えられる尾崎さんは、
8年前からこの仕事を続けているそう。
日本でBIG ISSUEが発行されるようになった時から
雨の日も風の日も、街角に立っている。
児童養護施設で育ち、就職し、結婚をするも
会社の事情や理不尽な出来事が重なり
かつて2年間、路上生活を余儀なくされる。
いまは役所の生活保護を受けながら暮らしているようだ。
「中途半端なことが嫌いでね。一生懸命やっているうちにもう8年だよ。」
「買ってくれなくてもいいから、話しかけてくれるだけでうれしいんだ。
いろんな人がいるけどね。」
話しているうちに、素敵なお人柄がよくわかってきました。
私は、障害者支援や被災者支援、世界の恵まれない子ども達・・・など
何かしらの支援活動をしようとするとき、
相手を「支援されるべき対象」としてみてしまいがち。
そんなときよく私は「何様なんだ?」と自分で思う。
たまたま健康に生まれ、幸せな家庭に育ち、豊かな生活を送れているだけなのに。
生まれる場所や環境が違ったら、逆の立場だったかもしれない。
多くの人が、暮らす世界や立場が違うと感じてしまっているから、
そこに見えない壁を作ってしまっているけれど
その壁を勇気を出して突き破り、同じ人間として接することができたら
また新たな可能性が広がる。
今回、尾崎さんに勇気をもって話しかけたことで
私もエネルギーをもらったし
尾崎さんも喜んでくれた。
私が尾崎さんという一人の人間と交わったことで
良い循環が生まれた。
社会的にマイノリティな立場にいる人たちは
声を上げる事が困難な状態にある。
そんな人たちの声を大切にして、新しい誰かに代わりに伝えていくことが
私の使命なのかもしれない、と最近思っている。
尾崎さんは、一年に一度日本各地に旅行する事が楽しみで
いつか実家愛媛のような場所で、田舎暮らしをするのが夢だという。
「そんなお金どこにもないけどね。」と笑ってごまかしていたけど
諦めなければ、きっと叶うはず!
もしTHE BIG ISSUEを売っているおじさんをみかけたら
ちょっと話しかけてみてください♪
そして、雑誌は300円で、160円が販売者の収入となるので
気になったら購入してみてください。
この世の中には「見ようとしなければ、見えないもの」がたくさんあります。
必ずしも見る必要はないけれど
「見ようとしなければ、見えないもの」を見て、向き合うことで
自分自身の心が豊かになり、そして社会の歪みも少しずつ
緩和されていくような気がします。
私は、私のできることをするだけ。
多くの人が穏やかな心で生活できる世の中になりますように。
美里