ダーウィンでアボリジニに絡まれた。

タナカミサト

2010年09月07日 18:16

オーストラリアのTop End

私が小学校のころはじめて読んだ伝記で「この人すごい!」って思った人
イギリスの自然科学者、進化論のチャールズ・ダーウィンにちなんで名付けられた街

Darwin

(実際にはダーウィンがこの街に立ち寄っていないことを最近知った…)





多くの人はこの街から周辺のカカドゥ国立公園やリッチフィールド国立公園に出かけていく。
野生のワニやカンガルー、ディンゴ、牛や馬まで、さまざまな動物が住み着き
数千種類もの植物が生える、自然が豊かな場所。



野生のワニとかいる。



そしてまた、太平洋戦争中の1942年に日本の空襲を受け、数多くの人が犠牲になった街として
いまもなお日本の長崎や広島のように、戦争の惨さを後世に伝えている。
<MILITARY MUSEUM については、別エントリーで詳しく。。。>







ダーウィンは、アジアに最も近い街でもあることから、70以上の民族が住む。
しかし、人口の4分の1がアボリジニなどの原住民らしい。


MILITARY MUSEUMへ行った帰り道のこと。


バス停でおじさんが座っていたので、「次のバスはいつくる?」って聞いてみた。
「きっともうすぐくるよ!」って言ったけど15分待ってもこない。


そんなうちに、アボリジニのファミリーが近くに寄ってきた。
が、長男っぽい17歳くらいの少年の様子がおかしい。

何かを言いながら私に近寄ってきて、わざとなのか本気なのか私の真横で転び
「I'm so sorry!!」って言って、ふらふら歩いてどこかへ行ってしまった。
他の家族はよくわからない言葉を、彼に向って叫んでいる…。

彼らの服や鞄はなかなか良さそうなもの。
私に絡んできた少年は白ぶちのサングラスをかけ、いけてるナイキのバックを背負っていた。
昼間から街をふらつき、働いている様子はないのに、生活に苦労していないのか??

結局彼らは、少年を先頭にはじめに向かっていた方向とは
別の方向に向かって歩いて行った。。




おじさんと目が合うと、「彼らは酒を飲みすぎている。」とつぶやいた。


それからおじさんと少し話した。

20年前にドイツからワーキングホリデーで来て、それ以来ダーウィンに住んでいるという。
シドニーやメルボルンは人が多すぎて合わなかったらしい。

アボリジニについて聞いてみると
「彼らは、政府からお金をもらっている。だから働かなくても生きていける。フェアじゃない。
 昼間から酒をのみ、そしてアルコール中毒になり、何をするわけでもなく町をふらついているんだ。」
と、眉間にしわを寄せて言った。


確かに、シドニーでもケアンズでも、ここダーウィンではとくに、街や公園のいたるところでアボリジニの集団を見かける。

まるで日本で若者集団がコンビニの前でたむろするように
何をするでもなく、座り、だらだらしているように見える。
そして浮浪者のように地べたに座り込み、何かをしている者もいる。


酒を飲むと、喧嘩っぽくなるのがアボリジニ。

シドニーでは、スイス人友達が同郷の友達と飲んでいて、酒に酔って街をあるいていたところ、同じく酒を飲んで気が荒くなっていたアボリジニに絡まれ、抵抗したら、金属バットで殴られ半身不随になって帰国したという、信じららない話を聞いたことを思い出した。






ドイツ人のおじさんに「アボリジニの友達はいるかい?」って聞いてみた。

そしたら
「そんなにたくさんはいないけど何人かはいる。当然、彼らはしっかり働いていて、自分自身の生活を保っているんだ。」と答えが返ってきた。

すべてのアボリジニが飲んだくれなわけではない。





前の記事で「アボリジニの文化を守りたい・・・」と書いたが、

はじめてオーストラリアの街に来てアボリジニたちの暮らしぶりを目の当たりにしたら
「こんな奴らの文化を守る必要があるのか?」なんて思うかもしれない。


でも、


昔からアボリジニを虐げ、一方的な白人の政策によって
こうした生活を送るようになってしまったことを忘れてはいけないと思う。

【お金をもらえるから、働かない。】
アボリジニに限らず、誰だって遊んで暮らせる程のお金が手に入るのなら、働かなくなるだろう。

何年か前に、首相が正式にアボリジニに対する過ちを認めたそうだが
お金で解決しようとしているようにしか思えず、なんだか悶々・・・。

そして一般市民にも「フェアじゃない」って、不満を与えてしまう始末。


最近でも、2年程前のケアンズ市長が街で問題を起こすアボリジニを郊外に強制送還し、アボリジニが住むコミュニティの地域で強制的に酒やタバコを売買することを禁止したという事実があると聞いた。
(でも酒を禁止したので、また酒をもとめて街中にもどってきてしまった。)



強制的な政策をとっても、何の解決にもならない…。


昔から文字をもたない彼らは、決して賢い人種ではないかもしれない。
こうしたアボリジニたちとどう向き合っていくのかが
いままでも、そしてこれからもオーストラリアの大きな課題のひとつだと思う。


おおらかで陽気なイメージのオーストラリア。
でも実は、根強い問題が今もなお残る、裏の一面があるということを知ることができた。








写真はツアーの一貫でアボリジニの文化を体験したとき、
一生懸命いろんな説明をしてくれたアボリジニの女の子とその妹。

いつからこうして働いているんだろう・・・


すごく説明がうまくて、しっかりした子だった。

関連記事