2010年12月15日
上関原発と祝島の人々
山口県で建設されようとしている、上関原発について知りました。
「虹のカヤック隊」として活動しているらんぼう達の
『いのちのツアーfrom上関』に参加してきました。

ハートの形をした島、祝島。
原子力発電所が建てられようとしている上関町の田ノ浦の対岸には
こんなに美しい島がある。

周辺の透き通った海には、多様な生物が住み
島民も自給自足、物々交換の暮らしで穏やかに暮らしている。
そんな穏やかな地に、計画が始まった1982年から22年間もの間
中国電力はこの地を埋め立て、原発を建てようとしている。
工事を進めようとする中国電力の大きな船を
体を張って止めようと、シーカヤックに乗って船に近づき
時には海に潜って、必死に抵抗をし続ける人たちがいる。
普段は穏やかに暮らしていても、工事がはじまると団結して抗議をする
おばあちゃんたちがいる。
祝島民や上関町民は、反対派と推進派の2つに分かれてしまい
この約20年間同じ村の中でも、一度も口を聞いていないという。
原発問題が原因で、家族が真っ二つに分かれてしまうこともあった。
無邪気な子供たちはそんな大人たちをみて
反対派と推進派に分かれた「ごっこ遊び」をはじめるようになる。
そんな状況が約20年も続いていたなんて。
同じ日本国内でそんな状況があったなんて、全然知らなかった。
どちらの言い分もよくわかる。
過疎化が進む地域だからこそ、原子力発電所を誘致することによって
安定した職を得ることができ、また若者がこの地から出ていくことを防げるのではないかと
原発建設を推し進める人々。
しかし、原子力発電所を作ることによって、この美しい自然や生物が失われ
漁業や農業、この地本来の生活ができなくなってしまうことを恐れる人々。
どちらもより良い地域を作るために、この地域のこと、家族のことを思って
主張しているのではないかと思う。
ただ見方やとらえ方が少し違うだけなのではないか。
その地に住むわけでもなく、ただ話を聞いただけだから
こんなに冷静で中立的な立場でいられるだけなのかもしれないけど…
一刻も早くこの問題が解決し、島民が助け合って暮らす素敵な島に戻ってほしい。
らんぼうが言った言葉が印象に残っている。
「中国電力や推進派の人を敵と思ってはいけない。」
問題を解決していくためには、お互いの歩み寄りが最も大事なのではないかと感じた。
しかし、2分化されてしまった以上、その文化が地に染みついてしまった以上
この21年という年月をリセットすることはそう容易いことではない。
そこで活躍するのが、全国から集まった旅人や若者たち。
この祝島の豊かさに魅了され、癒され、そしてこの問題をなんとかしなければと立ち上がった。
この長い間に築きあがってしまった反対派と推進派の深い溝を埋めるべく
何も事情知らない”よそ者”のフリをして一軒ずつ回って、相手側の話を聞いたり、
体をはってシーカヤックで工事を阻止したり、
この現状を全国に伝えるべく、こうしてツアーをしたりネットで呼びかけたりと精力的に活動している。
ちょっと検索しただけでも、たくさんの情報がでてくる。
虹のカヤック隊
http://ameblo.jp/nijinokayaker/
らん★ぼうのブログ
http://ameblo.jp/earthguide/
上関原発に関する動画
レゲエのテンポで面白おかしく、熱い歌をうたっていた
地球”コンチ”隼人さんがCOP10の時にまじめにインタビューされている記事
http://www.janjanblog.com/archives/19830
19歳のげんちゃんたちが山口から名古屋まで歩いた
7 generations walk
http://7gwalk.org/
みんなそれぞれの形で、問題解決を訴えている。
イベント後半、ワールドカフェならぬ「ペア・アウト・シンキング」で対話をした。
(詳しくは主催したまーぼーのブログで。)
テーマは「無関心」について。
知ってしまった以上、知った責任があると感じていた。
でもやっぱり無関心を選んでしまう自分もいることに気付く。
無関心でいることは、別に罪ではないのかもしれない。
ただ心を動かす何かを感じたとき、私は動くようにしている。
私はこの現実を知ったことで、それから悶々と考え
こうしてブログに書くことしかできていない。
ただ、現実に起こっている問題を知ること、そしてちょっと調べてみることで
自分自身の見聞も広がり、行動してみようという気持ちになれる。
そして普段の生活や考え方が少しずつ変化して
ちょっとしたことが、世界の平和につながるかもしれないと思い始めている。
これはオーストラリアのことをブログで書きながらも、漠然と考えていたこと。
ブログを書くだけで世界平和なんて言いすぎかもしれないけど、
「事実を伝えること」はやっぱり必要なことだと思う。
知っていること と 聞いたことあること は全然ちがうし
こうしてアウトプットするだけでも自分に蓄積されるものが違ってくる。
実際にちょこっと調べただけだし、話をきいて感じただけなので
現地で活動されている方からしたら間違った情報を書いてしまっているかもしれないけど
私がいま感じ、考え、伝えたいと思ったことを書いた。
いま、結局これは自己満足なのかもしれない、と思えてきた。。。けど、それでもいい。
最後に、浜松に帰ってきて浜岡原発に行ってみたんだけど
やっぱり中には入れず、退散。
4号機のプルサーマル計画の延期とかもニュースであったけど
一般人は、なかなか踏み入れられない雰囲気だった。
新エネルギーホールという、子供向けの教育施設がある場所では
新エネルギーをとりあげたゲームで子供たちが遊んでいた。
太陽光、風力、燃料電池などの「新エネルギー」について、楽しみながら「見て・知って・体験できる」展示ホール。
子供たちに持続可能な社会を残してあげるためには
どんなエネルギーを使うことが必要なのか
一人ひとりが考えていかなければいけないと思う。
Posted by タナカミサト at 17:59│Comments(2)
│Project
この記事へのコメント
どこの原発でもそうだと思うけど
ちょっと前までは運転室とか原子力建屋とか発電機建屋とか
わりと簡単に見学できてたんですけどね~
(もちろんセキュリティーは厳しいですが)
同時多発テロの影響で「一般の方の見学は基本的になし」になってしまったので…
見学する手はあるんですけどね。
原発はイイもワルイもたくさんあって
去年映画祭で紹介しておきながら難しさばかり感じて
もっと勉強する必要があるなと感じました。
ちょっと前までは運転室とか原子力建屋とか発電機建屋とか
わりと簡単に見学できてたんですけどね~
(もちろんセキュリティーは厳しいですが)
同時多発テロの影響で「一般の方の見学は基本的になし」になってしまったので…
見学する手はあるんですけどね。
原発はイイもワルイもたくさんあって
去年映画祭で紹介しておきながら難しさばかり感じて
もっと勉強する必要があるなと感じました。
Posted by nishi at 2010年12月18日 14:18
西さん
いつもありがとうございます!
静岡県内に原発があると知っておきながら
小中学校の社会見学でも行ったことがなく、実ははじめての訪問でした。
いつか一般でなく正式に以来して、見学させてもらいたいと思います。
やっぱりなかなか難しくて、議論するほど理解できていないのかもしれないですが・・・六ヶ所村や上関の問題についてはこれからも積極的に知る努力をしていきたいと思いました。^^
いつもありがとうございます!
静岡県内に原発があると知っておきながら
小中学校の社会見学でも行ったことがなく、実ははじめての訪問でした。
いつか一般でなく正式に以来して、見学させてもらいたいと思います。
やっぱりなかなか難しくて、議論するほど理解できていないのかもしれないですが・・・六ヶ所村や上関の問題についてはこれからも積極的に知る努力をしていきたいと思いました。^^
Posted by ミサトマト
at 2010年12月27日 10:40
